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EVENT
2025年10月17日
ロサンゼルス研修 vol.12
設計の橋本です。
ロスブログも12回目となりました。
今回はものすごく行きたかったのに、行けなくて悔しかった建築を紹介。
ベニスビーチの先端の方にある「Eames House」
イームズといえば家具が有名です。

プラスチックサイドチェアや

ラウンジチェア & オットマンを見られたことがあるのではないでしょうか?
そんなイームズ夫妻の自宅はアメリカの建築企画 ケーススタディーハウスの♯8として建築され現存しています。
旅程にも入れていたのですが、ベニスから山手の道に入る所でポリスメンが何やら交通規制。
なんと山火事の影響で、住民しか道路の先に進むことが出来ないそうです。
どうしようありません。泣く泣く引き返しました。

こちらが行きたかった建物。
写真はイームズハウスのHPより引用。
https://www.eamesoffice.com/the-work/case-study-house-8/


生活がデザインを導く家
1949年に完成したイームズハウス(ケース・スタディ・ハウス #8)は、チャールズ&レイ・イームズ夫妻が自らの暮らしのために設計した住宅です。
スチールフレームとパネルによる工業的な構成でありながら、内部は驚くほど温かく、人の気配に満ちた空間が広がっています。

実際に見れなったので、本をトレース。
光と空間 ― 構造の中にあるやわらかさ
2層吹き抜けのリビングには、大開口から柔らかな自然光が差し込み、時間とともに変化する光が室内を繊細に彩ります。
家具の配置は固定されず、季節や気分、用途に合わせて自由に入れ替えられる設計。
これはイームズ夫妻が掲げた「生活がデザインを導く」という哲学そのものです。
工業素材で構成された空間でありながら、庭のユーカリの木が建物と一体化し、自然との共生が日常の風景として息づいています。


家具 ― 自分たちの暮らしのためのデザイン
イームズ夫妻は家具デザインの名手としても知られています。
自邸には、彼らが手がけたイームズ・ラウンジチェアなどの名作が並びますが、それらは展示物ではなく「日々の生活道具」として使われていました。
生活の中で使い、改良し、また使う。
この家は、まさに彼らのデザイン実験室でもあったのです。
成形合板やスチール、レザー、ファブリックなど、異素材を軽やかに組み合わせることで、柔らかくリズミカルな空間が生まれています。

色彩と素材 ― 工業と自然の調和
外観はシンプルでモダンな印象ですが、内部は豊かな色と素材のレイヤーで構成されています。
構造材の黒いスチールフレーム、白やグレーの壁面パネル、そして差し色としての原色。
その中に、木製家具や籐のかご、テキスタイルなどの手仕事の温もりが調和しています。
冷たくなりがちな工業素材に、人の暮らしのぬくもりを取り戻す。
この絶妙なバランス感覚には、レイ・イームズのグラフィック的な色彩センスが光ります。

アートとオブジェ ― 生活とアートの境界をなくす
室内には、夫妻が旅先で集めた民芸品やオブジェが自然に配置されています。
日本やメキシコの手工芸品が、ミッドセンチュリーの空間に不思議なほど調和しているのです。

「生活空間をギャラリーにする」のではなく、
「暮らしそのものがアートである」――
この考え方こそ、イームズハウスの魅力の核心と言えるでしょう。
デザイン思想 ― Less is more ではなく、More is better
ミース・ファン・デル・ローエが「少ないほど豊かだ」と語ったのに対し、
イームズ夫妻は「多様さこそが生活を豊かにする」と考えました。
合理性や機能性に加え、感情や遊び、偶然の美しさをも肯定する。
シンプルな構造体の中に、色や素材、文化の多様性を包み込む。
イームズハウスは、そんな「人の個性を包み込む器」としての住宅の理想形を、今も静かに語り続けています。
ロサンゼルスに今度行くときは必ず訪れたいと誓うのでした。
ロスブログも12回目となりました。
今回はものすごく行きたかったのに、行けなくて悔しかった建築を紹介。
ベニスビーチの先端の方にある「Eames House」
イームズといえば家具が有名です。

プラスチックサイドチェアや

ラウンジチェア & オットマンを見られたことがあるのではないでしょうか?
そんなイームズ夫妻の自宅はアメリカの建築企画 ケーススタディーハウスの♯8として建築され現存しています。
旅程にも入れていたのですが、ベニスから山手の道に入る所でポリスメンが何やら交通規制。
なんと山火事の影響で、住民しか道路の先に進むことが出来ないそうです。
どうしようありません。泣く泣く引き返しました。

こちらが行きたかった建物。
写真はイームズハウスのHPより引用。
https://www.eamesoffice.com/the-work/case-study-house-8/


生活がデザインを導く家
1949年に完成したイームズハウス(ケース・スタディ・ハウス #8)は、チャールズ&レイ・イームズ夫妻が自らの暮らしのために設計した住宅です。
スチールフレームとパネルによる工業的な構成でありながら、内部は驚くほど温かく、人の気配に満ちた空間が広がっています。

実際に見れなったので、本をトレース。
光と空間 ― 構造の中にあるやわらかさ
2層吹き抜けのリビングには、大開口から柔らかな自然光が差し込み、時間とともに変化する光が室内を繊細に彩ります。
家具の配置は固定されず、季節や気分、用途に合わせて自由に入れ替えられる設計。
これはイームズ夫妻が掲げた「生活がデザインを導く」という哲学そのものです。
工業素材で構成された空間でありながら、庭のユーカリの木が建物と一体化し、自然との共生が日常の風景として息づいています。


家具 ― 自分たちの暮らしのためのデザイン
イームズ夫妻は家具デザインの名手としても知られています。
自邸には、彼らが手がけたイームズ・ラウンジチェアなどの名作が並びますが、それらは展示物ではなく「日々の生活道具」として使われていました。
生活の中で使い、改良し、また使う。
この家は、まさに彼らのデザイン実験室でもあったのです。
成形合板やスチール、レザー、ファブリックなど、異素材を軽やかに組み合わせることで、柔らかくリズミカルな空間が生まれています。

色彩と素材 ― 工業と自然の調和
外観はシンプルでモダンな印象ですが、内部は豊かな色と素材のレイヤーで構成されています。
構造材の黒いスチールフレーム、白やグレーの壁面パネル、そして差し色としての原色。
その中に、木製家具や籐のかご、テキスタイルなどの手仕事の温もりが調和しています。
冷たくなりがちな工業素材に、人の暮らしのぬくもりを取り戻す。
この絶妙なバランス感覚には、レイ・イームズのグラフィック的な色彩センスが光ります。

アートとオブジェ ― 生活とアートの境界をなくす
室内には、夫妻が旅先で集めた民芸品やオブジェが自然に配置されています。
日本やメキシコの手工芸品が、ミッドセンチュリーの空間に不思議なほど調和しているのです。

「生活空間をギャラリーにする」のではなく、
「暮らしそのものがアートである」――
この考え方こそ、イームズハウスの魅力の核心と言えるでしょう。
デザイン思想 ― Less is more ではなく、More is better
ミース・ファン・デル・ローエが「少ないほど豊かだ」と語ったのに対し、
イームズ夫妻は「多様さこそが生活を豊かにする」と考えました。
合理性や機能性に加え、感情や遊び、偶然の美しさをも肯定する。
シンプルな構造体の中に、色や素材、文化の多様性を包み込む。
イームズハウスは、そんな「人の個性を包み込む器」としての住宅の理想形を、今も静かに語り続けています。
ロサンゼルスに今度行くときは必ず訪れたいと誓うのでした。