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EVENT 2024年12月08日

青森研修 ~その4~

青森研修 ~その4~
こんにちは、水上です。
引き続き青森研修のレポートブログです。

二泊三日の最終日の始まりは「弘前レンガ倉庫美術館」



それまでに訪れた建築と違う点は新築ではなく、改修工事を経て再生された美術館ということ。
明治・大正時代に酒造工場として建設されたレンガ倉庫の煉瓦壁に耐震補強をして
煉瓦壁を構造体と再利用しながら美術館として生まれ変わったのです。

そして、今回の研修の中で私が一番楽しみにしていた建築です。
その理由としては、
・この建物を建立した福島氏が「かりに事業が失敗しても、これらの建物が市の将来のために遺産として役立てばよい」と
 長く残すことが可能な煉瓦造にし、その志通りに美術館に生まれ変り地域に根付いていること。
・屋根はシードル(りんごの発泡酒)工場としても利用されたいたことからシードルの淡い金色から着想された
 「シールド・ゴールド」となっていること。
・青森県出身の現代美術作家・奈良美智氏が市民と作り上げた展覧会を開催したことをきっかけに美術館が誕生したこと。
etc.. 
改修工事のコンセプトともなる「歴史の継承」や人とのつながりなどが心に響きました。


そして、実際の建物も期待を裏切らない素敵なものでした。



エントランス周りの煉瓦は「弘前積みレンガ工法」と名付けられ上部がアーチになっており、外側から内側に押し込むように積まれている
改修時に積み直されており、美術館のシンボルに!




エントランスには【あおもり犬】と並んで奈良氏の犬として知られる【A to Z Memorial Dog】
こちらは奈良氏が展覧会への感謝の気持ちを表して作られたそうです




チタン材を約1万3000枚使用したシールド・ゴールドの屋根




チタン屋根のコンセプト模型
まさにって感じでわかりやすい!




ところどころに残るコールタールが塗られた壁
倉庫時代に防虫・防腐の目的で塗られておりこちらも歴史が刻まれています




増改築を繰り返し、様々な年代の煉瓦が調和されるように積まれた壁


今回の見学ではキュレーターさんに説明をしていただくことができ、大変多くのことを学ぶことができました。
そして、改修のコンセプトともなる「記憶の継承」を感じ、福島氏の願いの通りまだまだ未来へ続く建築を実感できました。
 

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