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EVENT 2024年10月21日

animated | 平田晃久

皆さんこんにちは、浅田です。先月、設計部で東京研修に出向いた際『平田晃久―人間の波打ちぎわ|練馬区立美術館』に行って参りました。
かつて私が学生時代のコロナ渦で暇を持て余していた際、「何かやらなければ、そうだ建築の本を読もう。」と、初めて手にした建築本が平田さんの本でした。
今回はその本の一部を抜粋して平田さんの設計理論について述べようと思います。



『animated | 発想の視点 | 生命のような建築へ』平田晃久=著

・からまりしろ…ふわふわとした隙間の錯綜
 難しいですね、、、(笑)
 人間世界の領域だけでなく、植物、動物、異なる時空の文化にまで視野を広げます。
例えば、樹木の枝にとまる小鳥の群れやアルプスに雲がかかる様子、海藻に魚の卵が無数にくっついている状態や絡み合う植物などの一場面です。
偶然によって生み出される空間の建築化を試みているそうです。

 以下、この本の数あるキーワードの中から【内発性/360°】の二つを抜粋し、紹介します。
●内発性
~生命が環境の中で成長し、自らの形態を作り出すような仕方で建築をつくることはできないだろうか~
『House S』(住宅)


 床と壁を“構築”するのではなく、“発生/発芽”に近い様態を持つことで部屋同士がたわんだ関係を作り出しています。
床であったものがいつの間にか壁になっています。この空間は、まるで草むらの中で身を隠す昆虫のように、
動物的な本能が引き出されるような気持ちになりますね。

●360°
~人の後ろに目がついていると思って設計する。私たちは動く存在である~


『桝屋本店』(店舗)
 一見するとかなり直線的な建物で、壁が対角線状に斜めにカットされています。単純な建築操作ですが、
実は複雑な空間を生み出しています。この空間を歩くと、手前の斜めの壁は早く、奥の斜めの壁はゆっくり動きます。
その重なり合いは多様であり、展示されている商品への関心につながります。移り変わり続ける環境という点で捉えると、
それは森の中を探検しているようにも思えます。決まりきった空間に留まることによって人間が本来忘れていた空間感知能力が研ぎ澄まされるような気もします。

その他、【A,A’,A’’.../開かれた原理/対角線的/ひだ/同時存在の秩序/動物的本能/脱[床本位制]/人工という自然】というキーワードがこの本では理論展開されています。
ふと思うと初めて読んだ建築本がこれで良かったと思います。内容を理解するしないは一旦置いておいて、なぜかとても釘付けになりました。
建築設計の道に進むきっかけでしたね。
学生の時、これを読んですぐの設計課題をうにゃうにゃの建築にして、担当教授に、何遊んでるんだと言われたのが良い思い出です。

現在、自分の設計理論を確立するために毎日奮闘しております。いつか浅田論ができ上がりましたらまたブログで上げようと思います。
以上、浅田でした。
 

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