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EVENT 2023年07月07日

研修旅行 ~神戸・淡路島 5~

現在、近代産業遺産としての煉瓦建造物は、庁舎、工場、倉庫、砲兵工廠、発電施設、橋脚、トンネルなどが多く残っています。
中でも紡績業は近代の主要産業で、その工場や倉庫は当時も多く存在しました。


研修旅行で訪れた旧鐘紡洲本工場群もその一つ。

洲本アルチザンスクエア(旧第2工場汽缶室)


洲本市立図書館(旧第2工場)

補強された塀。


淡路ごちそう館御食国(旧第3工場汽缶室)


S BRICK(旧原綿倉庫)

内部の様子。





ちなみにこれらの建物の煉瓦はイギリス積みという積み方。


煉瓦にはいくつかの積み方があるのです。
代表的なものは下図の2つ。

フランス積みは、1段に煉瓦の長手と小口が交互に並ぶ積み方。
イギリス積みは、長手の段と小口の段が1段おきに積まれる積み方。
図は1枚半の壁厚で積んだときのものです。

一般に、フランス積みの煉瓦造建築は明治初期のもので、明治中期以降はほとんどがイギリス積みと言われています。
理由としては、
・明治初期には外国人技術者の指導の下に行われていたが、時代が下ると日本人の指導によるものが増えてきたこと。
・その流れに伴い、複雑なフランス積みに比べて、イギリス積みは容易に施工できたこと。
といったことが考えられています。

煉瓦の色による焼成温度の高い低いの判別と、それによる焼成技術の習熟度、
煉瓦に刻まれた刻印からわかる製造元と凡その流通経路、など。

当時の日本の産業がどのようであったか、詳細に調べていくと断片的にでもわかることが多くあります。
そういった意味でも、近代遺産や文化遺産は、記憶や情報を後世に伝える重要な資源だと改めて実感しました。

煉瓦に刻まれた刻印です。
これは大阪窯業という会社のもの。

ちなみに、甲子園会館のこのタイルもこの大阪窯業で製造されたそうです。



ビルド建築設計室 池内でした。
 

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