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EVENT 2026年01月09日

前橋ガレリア/太田市美術館・図書館



年が明けて一週間も経てばすっかり通常モード、引き続き群馬県での建築紀行を綴っていきます。
今回は建築家平田晃久氏が手掛けた建築の紹介です。


前橋ガレリア

前橋の古い商店街にある宙に浮いたBOXの集合体。
ずれながら積み上げたボリュームとそれによって生まれるヴォイドが街並みにリズムを与え、
さらにはソリッドな白い面とガラス、将来的には緑が茂るであろうメッシュが軽さを印象付けています。
 
 
用途は1階にギャラリーとレストラン、2~4階に26戸の分譲住宅。
平田氏はこの敷地で縄文の輪のような集落をイメージしたそうです。

【縄文時代の集落 三内丸山遺跡】

空中で輪をなす住居群とその下の中庭、閉じた輪ではなく開いた輪であってほしいという想いを表現した建築です。





太田市美術館・図書館

5つのRC造のBOXとそれを取り巻く鉄骨造のリムのようなスロープや階段。
 
 
 
このスロープ・階段はいわば、連続的なシーンの移り変わりを歩きながら体験できる空間装置。
外縁に巻き付くようなスロープや中心の螺旋階段など色々なルートで動くことができ、
それに伴い多様な場所が生まれ、この建築自体が活性化しているように感じました。

内部の様子やコンセプトはこちらから(太田市美術館・図書館HP)
https://www.artmuseumlibraryota.jp/facilities/#id02

「駅前の広場に人の流れを取り戻したい」
設計プロセスでは、地域住民のほか美術館・図書館の専門家など様々な関係者を交えて議論を重ね、
それぞれの声を取入れながら重要な決定を行ったそうです。



平田氏が提唱する概念に「からまりしろ」というものがあります。
前橋ガレリアや太田市美術館・図書館も、多種多様な生物が棲みつく一本の木のように、人間と環境がからまる余白を持った建築です。


1年半ほど前に訪れた平田氏の展覧会「人間の波打ちぎわ」で心に引っかかった言葉がありました。
それは「からまりしろ」に続く「響き」というテーマで述べられていた一節。
「…集合的無意識のようなものから発する響き…」

集合的無意識とは人類が共通してもつ無意識下の深層心理のようなもの。
例えば、富士山を眺めるときの心情は、古今東西問わず時代も地域も異なる人々でも、どこか通じ合うものがあるのではないか。
そうした物理的な関係を超えた心と心の繋がりのような何か、
そんな不確かなものを建築化しようという発想とその具現化力に感心したのを覚えています。

建築に何ができるのか、その可能性の広がりに期待が膨らむプロジェクトでした。
池内
 

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