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WORKS 2025年01月02日

手仕事

東海・ビルドで研修に行くほかに
毎年、個人でもたくさんの建築を見に行きます。
見たいと思う建築にはある共通点があって
・一度だけでなく何度も見たくなる建築
・手仕事の痕跡を肌で感じることのできる建築
を無意識に選んでいます。
最近の話題作とか、建築雑誌で映える建築という基準はありません。

沼津市芹沢光治良記念館
1970年に竣工した建築で、設計は菊竹清訓。
菊竹清訓と芹沢光治良が直接話し合いながら建築の計画を進めた様子が
展示品から伝わってきます。

四隅のコアでホールを支える
構造コンセプトがとてもしっかりした建築。
コアの一つに収められた階段が
日本の名階段といわれるものの一つ。

この階段にいると
型枠大工、鉄筋工、鉄鋼職人の手の痕跡を感じることができます。
型枠も鉄筋も直接見ることはできませんが不思議と感じるのです。
「空間」という言葉を我々は多用します。
このホールにいると安易に「空間」などと言っている自分が恥ずかしくなる。
芹沢氏と菊竹氏の丁々発止から、現場でコンクリートを打ち上げるまでの人々の
熱意と誠意。
背筋が伸びる空間にはなかなか出会えません。
小さな町の記念館ですが
近くにあれば、自分の仕事を見直すために月に1度は行きたい建築です。
こういった古いものだけでなく
今年オープンする銀座ソニーパークの建築も
同じ香りがします。

モダニズムの中でも特にブルータリズムは手の痕跡を残しやすいのかもしれません。
2025年は手の痕跡を感じてもらえる建築を意識して設計していきます。

設計室 森でした。




 

 

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