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EVENT 2024年08月10日

松江城

島根県旅行、番外編
せっかく島根にきたので歴史的な建築にも目を向けておこうと訪れたのがこちら

松江城です。

松江城は全国に12ある現存天守のうちの一つ、さらにその中でも国宝に指定された5城のうちの一つです。

天守は、四重五階地下一階で高さは約30m。
特徴は、
・全面に附櫓を設け、最上階から四方を見渡せる複合式望楼型天守
・白壁は少なく、黒く厚い壁で覆われた下見板張り
・石垣は野面積みの一種「牛蒡積み」と呼ばれる方式 


望楼型天守の特徴、入母屋破風


野面積みの一種「牛蒡積み」

そしてもうひとつ大きな特徴が、二階分の通し柱を用いながら上階の荷重を分散させて下へ伝える「互入式通し柱」と呼ばれる構法です。


各階交互に配置された通し柱

松江城天守は、二階分を貫く柱を各階に交互に配置することで、長大な部材を用いずに四重五階地下一階の大規模天守の建築を可能にしました。
さらに4階の四隅の梁から立ち上がる柱、いわゆる丘立ち柱が、上階の荷重を横方向にずらしながら下に伝えています。


4階、丘立ち柱

また、この通し柱含め一部の柱には板を鎹や帯鉄で取り付けられる構法が用いられています。「包板」と呼ばれる技法です。
築城後、天守閣修復の際に順次加えられたもので、粗悪材や柱の割れ隠しなど体裁を整えることを目的としながら補強効果も期待したもの考えられています。

 
左:包板が巻かれた柱、右:包板を固定するのに用いられた鎹

ところで、建築史家であり建築家の藤森照信氏は著書で次のように述べています。
「…城の天守閣は、日本とも中国ともヨーロッパともちがう奇妙な建築としてあり続ける。黒い五層の烏城や純白の五層の白鷺城など、どの国の建築の流れの中にも納まる位置は見つからない。」(『茶室学講義 日本の極小空間の謎』)
寺社建築や住宅建築とは違う独立した存在として、天守閣という建築が今に残っているのは何か意義深いものを感じます。 池内

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